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2014年9月29日月曜日

どうぶつの国 雷句誠

■どうぶつの国 雷句誠

ちょっと前に完結していたのだけど
私の懐事情により単行本買えてなかったので
ようやく読んだのです。
13巻14巻と連続で読みました!



素晴らしい!
そしてよくぞここまで考え抜いたな!
すげー!
うわああああああああああ!(夕日に向かって走る)

そんな感じの大感動物語でしたよ。
良かった良かった。

■どうぶつの国、この星には豊かな緑が広がり多くの動物たちが暮らしていた。
しかし、何故か人間はいない。
そこに5人の人間の子供達が現れる。
彼らはバラバラの場所で動物たちと暮らす。
自然が広がる「どうぶつの国」そう聞くとパラダイスのように思うかもしれないが、
それは違う。
動物の世界とは「弱肉強食」
食って食われる世界なのだ。
殺し合いの世界とも言えるだろう。

5人の子供達、どうぶつ達が彼らの親となり友達となり成長する。
そしてときおり、その親や、友達は食われる。

なんでだ?
なんで食われなきゃいけねぇ?
それが自然の掟だから?
それで愛するのもが食い殺されることを納得しろというのか!?

■とそんな感じで。
主人公の少年は
「すべての動物が仲良く暮らせる世界」を目指すのですよ。
そして彼には全ての動物たちの鳴き声が理解出来、
全ての動物たちと話すことが出来た。

■さぁ、この条件で
「すべての動物が仲良く暮らせる世界」
は実現出来るのか?
いや、そもそもその目標が間違っているのか?

各地で生まれ育った5人の少年少女は
それぞれ別の思考を持ちます。

理想を目指すもの。
自然のままが正解だ、というもの。
理想はわかるが無理だ、というもの。
生きているのは不幸だ、死こそが人類の幸せだ、というもの。
いや、殺し合いこそが楽しいんじゃねーか、というもの。

それぞれが正しくて、それぞれが間違っている。

■作者としては主人公の理想を描くのだけど
そこにエコヒイキはせずに他の意見も全力で理解し全力で可能性を探っている。
ご都合主義の理想ならない本当のぶつかり合いを描き切ってる。

■この全ての動物の言葉が分かるって能力は
普通に「言語学者」の能力で
外国語が喋れると普通に他の国の人と仲良くなれるよね?
って話になって。

■全ての動物と友達になりたい。ってのは
繋がり、絆、ネットワークで
インターネットやソーシャルネットで
日本中、世界中の人と繋がれるよね?
って話になって。

■翻訳の機械も進歩してるし。
どうぶつの国ではなく。
今、現在の
「世界中の全ての人々が仲良く暮らせる世界」も実現出来るんじゃないか?
と思わせてくれるんですよね。

と言うと、
「そんな理想は出来っこないよ!」
あなたはそう言うかもしれない。

理想を目指すもの。
強い国が勝つのが正解だ、というもの。
理想はわかるが無理だ、というもの。
希望は不幸だ、死だけが私の幸せだ、というもの。
いや、奪い合いこそが楽しいんじゃねーか、というもの。

それぞれが正しくて、それぞれが間違っている。

■そんな所がちゃんと少年漫画の面白さのまま
しっかり描かれているので超面白い漫画ですよ。
熱いし楽しいし嬉しいし面白い!

私はこの作者が時おり出してくる脳天気キャラが大好きです。
あと、最後らへんで「植物はどうなんだよ?」「魚は?」にも言及してあって
きっちりやってるなー、すげー、と感服ですよ。

最終巻はお風呂で読んでたのですが
笑ったり泣いたりビックリしたり感動したりで
変な声がエコーで響いてしまいましたよ。

ともあれオススメ!
ワイルドだぜ!

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